当社はパート・アルバイトを含めた従業員数が10人の会社です。この規模でISOを取ることが不可能ではないことをこのホームページをご覧のみなさんに伝えたいと思い、このページを設けました。当社の取得までの道のりをご説明します。
@当社は創業から20数年を経過し、その体質の古さから来る様々な弊害がある。
A総納入点数に対する顧客クレームの割合は1%を切っていたが、過剰品質、不要な全数選別などもある。
Bデータリング体制が出来ていない。
C会社の仕事は「見て、盗んで、体験する」という職人の世界で次代を担う人材が育ちにくい。
Dその仕事の流れが複雑怪奇でほとんどが標準化されていない。
「こりゃ、いかん」と思った社長は、一念発起しました。
当社がおつきあいしている会社の方からISO9000という便利なものがあるという話を聞き、その方に弊社の委員長になっていただくことをお願いしたうえで、これに取り組んでみようということになり、社員1名を内部監査の研修に派遣し、管理責任者としました。
全社員に内部監査の内容を伝え、「総和ネジやったら取れるで!」と断言しました。これが苦労の始まりになろうとは・・・。ちなみに断言した社員とは私です。これが1998年3月のことです。
着々と準備を進め、
1998年11月  キックオフ宣言 自主的な講習会は月に1度定期的に開催
1998年12月  マニュアルと規定類の初版を発行
1999年1〜2月 ベリージョンソン・インクの講師によるコンサルティング(この講習にはパートを含む全社員が参加)
1999年 3月  オンサイトセミナーによる内部監査員の講習(全社員が受講)
1999年 4月  チェックを兼ねた模擬審査 ・・・・・ と順調にこなしているかに見えました。
ここまでは順調に来ましたが、キックオフ以来張り詰めていた社員の緊張もとぎれがちになり、ISOの要求事項と実務との差が浮き彫りになった時期が1999年5月頃です。
1999年5月に1度のコンサルティングの予定を変更。7月まで延期。それでも、模擬審査での不適合箇所を一つ一つクリアーし、7月にもう一度模擬審査を受けました。この時点で再びモチベーションが上がり、社員の意気も上がりました。予備審査に問題なく進めるだろうという判断を下し、9月初旬に予備審査を予定しました。が・・・。
7月の下旬になって、要求事項を細かく見ているとこのままでは無理なのではないかと思われる箇所を、委員長に指摘されました。内容は、当社がファブレスであることに起因するもので、解決はほぼ不可能と思われる内容でした。これには幹部社員全員が悩み、最終決断は、「これでアカンといわれたらやめたる。ウチにはこれしかないんやからこのまま行ってまえ!」という半ばあきらめにも似たものでした。
予備審査を9月上旬に控え、管理責任者が全社員に通達したことがあります。「予備審査の時には隠さないでください。嘘をつかないでください。全て正直に審査員に話して、不適合を洗い出してください。」
その結果、出るわ出るわ・・・。
予想を越える指摘を受け、中には致命的な不適合と思われるものも含まれていました。最終的にはこの不適合を半ば強引に是正し、運用が非常に楽になりました。この部分を指摘した審査員の先生に感謝しています。
余談ですがこの審査のあとで審査員の先生に「色々ご指摘を受けましたが、私は楽しかったです。」とお話すると、「私の審査を受けて楽しかったと言ったのはあなただけです。」と言われました。それはそうでしょう。この時点で重大な不適合に近い軽微な不適合が8件あったのですから・・・。
本審査は1999年11月でした。さすがにこの時点では何も包み隠さずとは言えなかったのですが、結果的には審査員の先生方の巧みな話術で全て明らかになってしまいました。
当社はお客様が行う品質監査を受けたことが無く、従業員も検査慣れしていないせいか、どの質問にも汗をかきかき一生懸命答えようとして、かえって墓穴を掘ってしまうことも多々ありました。審査員の先生から「ここに書いていますよ」と答えを教えていただくこともあったほどです。途中で審査が止まることなく最終ミーティングを迎え、結果は軽微な不適合が2件、要観察が5件でフォローアップ審査の必要もなく、暫定的に合格となりました。
60点(優・良・可・不可の可)を目指そうとした当社にとっては望外の成績を残し、本審査を終了しました。
ISOのシステムを導入した後、大きく変化した点は、社員のモチベーションです。品質に対する教育はこれまでにも実施していましたが、品質に対する見識は持っていても、最終判断は社長に委ねるものでした。これを、思い切った権限委譲によって、各社員に責任と権限の自覚を持たせ、判断基準を明確にすることによって個々の判断基準を標準化することで過剰品質から適正品質としました。もちろん、この変化によって、顧客クレームが増大することを危惧していたのですが、結果的にはクレーム割合が0.2%を切りました。これには、各協力会社の自主的な努力も大きく貢献しています。受入検査での不適合発生率も大きく下がりました。
弊社のISOシステムは、たくさんの方々のご協力の下に成立しています。心より感謝いたします。ありがとうございました。
ISOは万能ではありません。システムの遵守も必要ですが、日頃の5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)と、失敗の共有が大切です。弊社の経験を書いてみましたが、私の分かる範囲でお答えできることには積極的にお返事差し上げます。御社でISO取得活動推進中の方、或いは取得後の運用でお悩みの方、情報交換しませんか?

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